行政書士が教える!運送業で成功するための一般貨物運送事業許可のポイント
はじめに:トラックを動かす前に必要な「第一関門」
物流業界は、EC市場の拡大や人手不足の影響もあり、今後も一定の需要が見込まれる成長産業です。
しかし、運送業を始めるには、ただトラックを用意すればよいというわけではありません。
最初の関門として立ちはだかるのが、「一般貨物自動車運送事業許可(以下、一般貨物許可)」の取得です。
この許可は単に申請書を提出すれば下りるようなものではなく、多くの要件と実務的なハードルがあります。
この記事では、行政書士として数多くの許可申請をサポートしてきた視点から、運送業を成功に導くための一般貨物許可取得のポイントをご紹介します。
一般貨物運送事業許可とは?:単なる届出ではありません!
「一般貨物運送事業許可」とは、トラックを使用して他人の貨物を有償で運ぶ事業を行うために必要な国の許可です。
この許可を取得することで、正式に「運送業者」として営業ができるようになります。
しかしこの許可は、ただの「届け出」ではなく、国土交通省の厳格な審査を通過する必要があります。
なぜなら、運送業は公共性が高く、安全管理や法令順守が極めて重要だからです。
許可取得の主な要件:ここを押さえれば合格に近づく
1. 資金要件:自己資金が問われる
一般貨物許可を取得するには、事業を始めるにあたって十分な資金があることが求められます。
例えば、トラック購入費、営業所・車庫の賃料、保険料、人件費など、初期コストが高額になるため、
最低でも500万円以上の自己資金が必要になるケースが多い
です。
この金額は「見込み」ではなく、実際の預金残高や資産で証明する必要があります。
2. 営業所・車庫要件:場所選びが命取りになることも
営業所と車庫には、建築基準法や都市計画法、さらには道路法など、複数の法規制が絡みます。
とくに車庫は、
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道路に面しているか
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車両がスムーズに出入りできるか
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周辺住民への騒音配慮がされているか
などの点も重視されます。
許可の申請直前になって場所が使えないと判明するケースも多く、早めの調査が必須です。
3. 車両要件:最初に登録するのは最低5台
運送業を始めるには、5台以上の営業用車両(緑ナンバー)を用意する必要があります。
この車両も中古車であれば整備記録や保安基準への適合が求められ、新車でもリース契約内容に注意が必要です。
また、「トラックをローンで買う予定だが納車が先」という状況では、許可申請が進められない場合もあります。
4. 運行管理体制:人の要件も重要
運送業は車だけでなく**「人材体制」も重要な審査項目**です。
以下のような資格を持つ専任者を配置する必要があります。
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運行管理者(選任必須)
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整備管理者(整備管理者選任前研修の受講者)
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経理責任者(資金繰り等の経験者が望ましい)
これらのスタッフがそろっていないと、申請が通らない可能性があります。
よくあるつまずきポイントと対策
営業所や車庫の契約前に要確認!
実際によくあるのが、「場所を契約したあとで使えないと判明した」ケースです。
例えば、都市計画法上で用途地域が「住居系」に該当していたり、騒音や交通問題が懸念されて使用が難しいと判断されることがあります。
契約前に行政書士とともに事前確認することが不可欠です。
法人設立タイミングとの調整
法人設立と許可申請のタイミングも慎重に考える必要があります。
「法人を設立したが、資本金が足りずに資金要件を満たせなかった」というミスは避けたいところ。
事前に必要資金を逆算して法人設立を行うのが鉄則です。
行政書士の役割と支援内容:単なる代書屋ではない!
行政書士は、単に書類を代行して作成するだけではありません。
とくに運送業の許可申請では、以下のような実務支援が求められます。
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営業所・車庫の現地調査と図面作成
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必要書類のチェックと関係機関との連絡
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資金計画のアドバイス
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申請後のヒアリングや補正対応
つまり、伊橋行政書士のサポートがあれば、「何を、いつまでに、どう準備すればよいか」が明確になり、許可取得までの時間と労力を大幅に削減できます。
まとめ:最初の一歩を、確実に踏み出すために
運送業の開業は、多くの可能性に満ちたチャレンジです。
しかし、最初の「一般貨物運送事業許可」をスムーズにクリアできなければ、事業はスタートすらできません。
行政書士として数多くの運送業支援を行ってきた経験から言えるのは、
「早めの相談」と「正しい段取り」が、成功の鍵だということです。
もし、これから運送業の開業を検討している方は、許可取得の段階からぜひご相談ください。
現場の事情と法律の両面に精通した伊橋行政書士法務事務所として、事業の第一歩を全力でサポートいたします。